KONICA M HEXANON 35mm F2
コニカ製Mマウントレンズ、ヘキサノン 35mm F2のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- KONICA M-HEXANON 35mm F2の写真例(LEICA M9)
レビュー
ヘキサノン-M 35mmは、2000年にリリースされたライカMマウント用の広角レンズで、コニカ製焦点距離35mmのレンズとしては3本目となり、レンズ構成にレトロフォーカス型を採用したモダンなレンズである。
レンズフードは鏡筒先端にねじ込んで後、フード先端が120°回転しファインダーの邪魔にならない位置にフードのスリットを移動することができる。フード先端を固定する装置はないのでカメラバック内で位置がずれることはある。
先述したように本レンズはレンズ構成にレトロフォーカス型を採用している。
過去にコニカがリリースした同スペックの焦点距離35mm、開放絞りF2のL39スクリューマウントレンズはクセノタール(クセノター)型レンズである。
クセノタール型とは、前群がガウス型、後群がトポゴン型のハイブリッド、Zeissのビオメターが元祖と言われている。
そのレンズもフィルムカメラ、デジタルカメラの両方において十分な解像度を持ち、問題の無い発色性能を有していた。
よって、前例を踏襲したレンズ構成でブラッシュアップしたり、開放F値を大きくするなど改良の方向性はさまざま考えられる。
しかし、本レンズはレンズ構成変更という方法が採用された。設計者がどのような意図を持って、この方法論でレンズを設計しようとしたのかはわからないが、過去のレンズと一線を画す意味で面白い試みだ。
外観デザインは、ヘキサノン、28mm、50mm、90mmとほぼ同じだか、レンズ鏡筒にはズミクロン6枚玉と似たフォーカスレバー(フォーカシングレバー)が装着されている。これが装着されたのは、他のヘキサノンよりもレンズ鏡筒が太くなってしまったことに起因しているのかもしれない。
レトロフォーカス型は周辺光量を多く取り込める代わりに、鏡筒が大型化する弊害がある。レンズ設計の自由度が高いため、コンピュータを駆使した設計によって、従来には無いレンズ構成による高性能なレンズを作ることできる。少し鏡筒が太くなったと言っても、一眼レフレンズに比べると十分小さく、持ち運びや取り回しに苦はない。
本レンズは、他のレンズより後にリリースされたためか、市場にあるレンズの数が少ないようで他のコニカ製Mマウントレンズより、中古市場で見かけることが少なく価格も高めである。
仕様
項目 | 値 | 備考 |
焦点距離(mm) | 35 | |
最大絞り | 2 | |
最小絞り | 16 | 1/2刻み |
レンズ構成 | 7群8枚 | |
絞り羽根 | 10枚 | |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 全域カメラ距離計連動 |
レンズ長(mm) | 45.1 | マウント面からの距離 |
レンズ最大径(mm) | 55.7 | |
フィルター径(mm) | 46 | |
重量(g) | 230 | |
リリース年 | 2000年 |
焦点距離 | 名称 | リリース年 | 技術レポートリンク |
28mm | M-HEXANON f28 / F2.8 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
50mm | M-HEXANON f50 / F2 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
90mm | M-HEXANON f90 / F2.8 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
35mm | M-HEXANON f35 / F2 | 2000年 | 35mm-PDF |
50mm | M-HEXANON f50 / F1.2 | 2001年 | 50mm/F1.2-PDF |
21-35mm | M-HEXANON f21-35 / F3.4-4 | 2002年 | 21-35mm-PDF |
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.03.02:改稿
- 2022.05.25:初稿
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