中庸レンズ・M HEXANON 50

KONICA M HEXANON 50mm F2をフィルムカメラとデジタルカメラで使用したレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- フィルムの写真作例の撮影はHEXAR-RF +FUJIFILM ACROSS 100 B&W
- デジタルの写真作例の撮影はLEICA M8
レビュー


1.概要
ヘキサノン50mm F2は、1999年にヘキサーRFと同時にリリースされたライカMマウント互換の標準レンズ。
主な特徴を記すと、レンズ構成は5群6枚のガウス型、最短撮影距離 0.7m、絞り値 F2〜F16、絞り羽根 10枚、フィルター径 40.5mm、フードはレンズ鏡筒に内蔵している。
レンズの詳しい説明は、コニカが配布しているレンズのテクニカルレポートを参照していただきたい。
2.使用感
描写はデジタルを問わず万能に使えるレンズで、サンプルをみてわかるとおり絞り開放からよく写り、高コントラストではないが、遠景、近景万能に使えて、前ボケ、後ボケの素直な軟らかさ、被写体を表現する質感は満足できる。
外観は、金属外装でそれなりの重量があり、ヘリコイドもスムーズに回る。絞りのクリック感もしっかりしており総合的に不満はない。また、M型ライカをはじめ、EPSON R-D1やBESSAシリーズなどのM型ライカ互換カメラに装着した際に違和感はない。
レンズフードは鏡筒から引き出して使用し、引き出したフードにロック機構のないタイプだ。ズミルックス M 50mm ASPH.のようにロックがかかるタイプもあるけれど、ロックの有り無しは好みの問題だろう。
ロックがかかるタイプはギミックが凝っており、コストのかかった作りと言える。
3.まとめ
結論としてKONICA M HEXANON 50mm F2をまとめると、そつのない無難なレンズといえる。それはカメラを問わず装着時に違和感のない中庸な意匠と中庸な描写が象徴している。
このレンズの特色を問われると言葉を探すことは難しい。
強いて言うならコニカMマウントレンズのみで、他社には目もくれない場合、KMシリーズの中で最もコンパクトなレンズであり必要なレンズとなるであろう。上位にKM-HEXANON 50mm F1.2があるため、大きさと値段を気にしない場合、そちらも選択肢となる。
多くの強豪がひしめく焦点距離50mmの標準レンズにおいては、何らかの個性がなければ生き残ることは難しいと感じさせる。50mmというスペックのレンズは、それこそ星の数ほどリリースされており、最大絞り値をF2と限定しても選びたい放題である。
仕様・レンズ比較
レンズの意匠と構成はズミクロン M 50mm F2の4代目と非常に似ている。
レンズの意匠はフードを内蔵していることが共通点で、フィルター径はコニカが40.5mm、ライカが39mmと微妙に異なる。
レンズ構成はほぼ同じ6枚のガラスを使用しており、ヘキサノンは前玉3枚が独立して空気面を持っているのに対して、ズミクロンは前玉3枚のうち2枚目と3枚目のレンズが貼り合わせとなっている。
両者のリリース年には約20年の差があるが、同じレンズ仕様で設計するとほぼレンズになっていることは興味深い。
このヘキサノン50mm F2が定評のあるズミクロンコピーのようになっているのは、この後にリリースされる明るい50mm F1.2を見据えて、保守的なレンズ設計をしたことも理由の一つと考えられる。
下図はヘキサノン50mmとズミクロン50mm(4代目)の比較図である。
- レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。


項目 | M ヘキサノン | ズミクロン M 4代目 |
焦点距離(mm) | 50 | 50 |
最大絞り | 2 | 2 |
最小絞り | 16 | 16 |
絞り羽根(枚) | 10 | 8 |
レンズ構成 | 5群6枚(ガウス型) | 4群6枚(ガウス型) |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 43.5 | 43.5 |
レンズ最大径(mm) | 54 | 53 |
フィルター径(mm) | 40.5 | 39 |
重量(g) | 255 | ブラック:240 シルバー / チタン:335 |
リリース年 | 1999 | 1978 |
焦点距離 | レンズ名 | リリース年 | 仕様PDF |
28mm | M-HEXANON f28 / F2.8 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
50mm | M-HEXANON f50 / F2 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
90mm | M-HEXANON f90 / F2.8 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
35mm | M-HEXANON f35 / F2 | 2000年 | 35mm-PDF |
50mm | M-HEXANON f50 / F1.2 | 2001年 | 50mm/F1.2-PDF |
21-35mm | M-HEXANON f21-35 / F3.4-4 | 2002年 | 21-35mm-PDF |
参考リンク
- KONICA 28/50/90mm Technical Report-PDF(Japanese)
- コニカヘキサーRFのすべて (エイムック 205) ムック – 2000/1/1(アマゾンアフィリエイトリンク)
- LEICA SUMMICRON M 50mm F2
更新履歴
- 2025.3.6
- 2024.05.29:改稿
- 2024.03.01:改稿
- 2022.05.19:初稿
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