KONICA M HEXANON 50mm
オーソドックスなスタンダードレンズ
コニカ M ヘキサノン 50mm F2のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- フィルムの写真作例の撮影はHEXAR-RF +ACROSS 100
- デジタルの写真作例の撮影はLEICA M8
レビュー
レンズ概要
ヘキサノン50mm F2は、1999年にヘキサーRFと同時にリリースされた標準レンズ。
余談だが、ヘキサーRFのリリース時に、この50mmとあわせて、28mm F2.8と90mm F2.8がリリースされている。
レンズの詳しい説明は、コニカが配布しているレンズのテクニカルレポートを参照していただきたいが、ガウス型のレンズ構成をもち、レンズ鏡筒にフードを内蔵しており、レンズの意匠はズミクロン M 50mm F2の4代目と非常に似ている。
ヘキサノン50mmとズミクロン50mmはレンズ設計も似ており、両者の特徴的な違いとして、ヘキサノンは前玉3枚が独立して空気面を持っているが、ズミクロンは前玉3枚のうち2枚目と3枚目のレンズが貼り合わせとなっているところだ。両者のリリース年には約20年の差があるが、ほとんど同じ設計になるのは興味深い。
ヘキサノン50mmのレンズ構成が定評のあるズミクロンコピーのようになっているのは、この後にリリースされる明るい50mm F1.2を見据えて、本レンズは保守的なレンズに仕立てたことも理由の一つと考えられる。
使用感
描写は絞り開放からよく写り、遠景、近景万能に使えて、前ボケ、後ボケも素直で無難なレンズだ。
金属外装でそれなりの重量があり、ヘリコイドもスムーズに回る。絞りのクリック感もしっかりしており総合的に不満の無いレンズだ。しかし、個人的なレンズ蒐集において激戦の50mm戦線を生き残ることはできなかったため、すでに手元にはない。
時折、中古で安価な品を見かけると、若干欲しくなるが、毎回スルーしているので、強烈な引きのあるレンズではない。
競合について
50mmというスペックのレンズは、それこそ星の数ほどリリースされており、最大絞り値をF2と限定しても選びたい放題である。その中でこのレンズに大きな特色があるか?と問われたら、なかなか言葉を探すことが難しい。強いていいうならば、コニカMマウントレンズだけで撮影生活を送る場合は、KMシリーズの中で最もコンパクトなレンズであり、持っておいて損のないレンズとなるだろう。
しかし、メーカー問わずに好みの合うレンズを探したとき、手元に残すべきレンズとはならなかった。それはカメラを問わず装着時に違和感のない中庸な意匠と中庸な描写がこのレンズがないと困るというシーンを想像しづらいためと考える。やはり、多くの強豪がひしめくスタンダードレンズにおいては、何らかの個性がなければ生き残ることは難しい。
仕様・比較
項目 | M ヘキサノン | ズミクロン M 4代目 |
焦点距離(mm) | 50 | 50 |
最大絞り | 2 | 2 |
最小絞り | 16 | 16 |
絞り羽根(枚) | 10 | 8 |
レンズ構成 | 5群6枚(ガウス型) | 4群6枚(ガウス型) |
最短撮影距離(m) | 0.7 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 43.5 | 43.5 |
レンズ最大径(mm) | 54 | 53 |
フィルター径(mm) | 40.5 | 39 |
重量(g) | 255 | ブラック:240 シルバー / チタン:335 |
リリース年 | 1999 | 1978 |
Focal length | Lens name | Release date | Technical Report |
28mm | M-HEXANON f28 / F2.8 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
50mm | M-HEXANON f50 / F2 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
90mm | M-HEXANON f90 / F2.8 | 1999年 | 28/50/90mm-PDF |
35mm | M-HEXANON f35 / F2 | 2000年 | 35mm-PDF |
50mm | M-HEXANON f50 / F1.2 | 2001年 | 50mm/F1.2-PDF |
21-35mm | M-HEXANON f21-35 / F3.4-4 | 2002年 | 21-35mm-PDF |
参考文献・参考リンク
- KONICA 28/50/90mm Technical Report-PDF(Japanese)
- ヘキサーRFのすべて・エイムック(amazonアフィリエイトリンク)
更新履歴
- 2024.05.29:改稿
- 2024.03.01:改稿
- 2022.05.19:初稿
広告
- 表示される外部リンクの一部は広告となっており、クリックするとサイト管理者に収入が発生する可能性がある。本ウェブサイト維持のためご理解とご協力をお願いする。
- アフィリエイトリンクについては、こちらを参照のこと。