SGIMA DP2 Merrill
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シグマ・コンパクトデジタルカメラ・DP2 メリルのレビューと写真作例
ギャラリー
レビュー
DP2メリル *1はDP2の後継で、2012年に発売され、レンズは新規で焦点距離30mmとなり、センサーサイズがx1.5倍のAPS-Cセンサーと少し大きくなったので、35mm判換算焦点距離は45mmとなる。x1.7倍のAPS-Cセンサーを積んだDP2は24.2mm / 42mmとなる。
以下は、DP1メリル、DP2メリル、DP3メリルで同じ記述が含まれている。
このカメラは発売後10年以上が経過しているのでオールドコンデジと呼ばれるカメラだ。
デジタルカメラの肝である、センサーはSD1と同じAPS-Cサイズの第3世代Foveonセンサーを搭載し、解像度は1500万画素 x3層となっている。X3F形式のRaw画像の場合、約50MBのファイルが生成される。一億画素のX2DのRawデータのファイルサイズが200MBなので、1500*3=4500万画素のデータを持っていると考えられる。約5000万画素のデータ量を2012年に実現していたので、撮影後のファイル書き込みが遅い、PCの処理が重いというのは当時では仕方が無かったことだろうと2024年になって思うところである。
バッテリーはシグマ型番がBP-41 *1で、リコー GR系コンパクトカメラで採用されたDB-65 *1と互換性がある。そのほか、フジフィルム、ライカ、パナソニックでも同形状の採用があり、互換バッテリーの入手には困らないのは良い点だ。
DP2シリーズの標準レンズに近い焦点距離は、このカメラがでた当時は、LEICA M9で使用していたため、標準領域の焦点距離を持つこのカメラを使い込むことが無かったため、申し訳ないがカメラの印象は非常に薄い。購入したのは当時シグマがDPシリーズを集めるとキャッシュバックをやっており、そのために買いそろえたような物だ。しかし、撮影記録を眺めるともっと使ってやればよかったと思う。
最短撮影距離は28cmで焦点距離なりの最短撮影距離だが、専用オプションのクローズアップレンズ、AML-2 *1を装着するとより被写体をクローズアップできるようになる。
このオプションからシグマ自身が最短撮影距離に物足りないことを自覚していたと思われる。
しかし、後継機のdp2・クアトロは最短撮影距離が28cmのままでクローズアップオプションは無くなった。AML-3がリリースされなかった正確な事情は不明だが、推測するならば、以下2つの理由からであろう。
- マクロ領域を担当するカメラDP3シリーズが製品ラインに入ったため
- AMLシリーズがあまり売れなかったため
オプション装着時の接写範囲は公式では告知されておらず、以下に参考になる情報がある。
また、AML-2は49mmのねじ込み式なので、49mm径のレンズであればそのまま使用でき、径があわない場合はステップアップ、ステップダウンリングで径変換して使用することができる。
DPメリル・シリーズは焦点距離の違いで、35mm判換算28mm相当のDP1メリル、45mm相当のDP2メリル、75mm相当のDP3メリルの3機種が発売された。いずれのカメラボディも凹凸の少ないスクエアな形状で、素の状態ではすこし持ちづらいが、サードパーティの後付けグリップを装着することにより改善できる。3つのカメラはレンズ部以外の寸法は同じなので、グリップなどのオプションは使い回すことができる。DP1メリルとDP2メリルはレンズサイズもほぼ同じで、レンズの銘板とボディ右上の型番くらいしか違いが無い。
APS-Cサイズの高性能センサーに固定レンズというコンデジはスナップなどによい選択肢となるが、残念ながらDPメリル・シリーズもシグマ・コンパクトデジカメの伝統を引き継ぎ、電気系統が貧弱で電池持ちが悪いこと、処理系の貧弱さによるレスポンスの悪さというDPメリルシリーズ共通の欠点がある。
APS-Cサイズの高性能センサーに固定レンズというコンデジはスナップなどによい選択肢となるが、残念ながらDPメリル・シリーズもシグマ・コンパクトデジカメの伝統を引き継ぎ、電気系統が貧弱で電池持ちが悪いこと、処理系の貧弱さによるレスポンスの悪さという欠点がある。
クアトロ・シリーズのトンファーボディは見た目のインパクトはあるが携帯性の悪さはいかんともしがたく、DPメリル・ボディのままQuattroセンサーを積んだカメラがリリースされなかったのは残念である。
DP・メリルのセンサーは画像記録にX3Fしか対応していないため画像処理はSPPのみとなる。
SPPは昔から使用しており、ずっと不安定、動作が遅いと言っていたが、2024年のM2 Pro搭載のMac miniで使用したところ、不用意なクラッシュは無くなっており、処理速度も実用に十分な速度に達していることを実感し、CPUパワー増大の恩恵をよく感じる。
フリーウェアのX3FをDNGに変換するユーティリティソフトも使用してみたが、使用した時期のバージョンではDNGに変換した後の画像をかなり処理しないとSPPと同じクオリティにすることが難しく、使いこなしが難しい印象だった。その後改良されているかは不明である。
DNG変換後の画像がSPPデフォルトと同等の画像を得ることができれば、他のソフトで微調整をするのが理想的だが、そううまい話は無かった。変換ソフトは個人が作成したフリーウェアなので、利用者が文句を言う筋合いは無い。
画像処理ソフトのAffinity Photoで現像ができることがわかったので、こちらのページでテストしてみた。こちらもSPPと同じ結果を得るためには、調整方法を研究しなくてはいけない。
現在中古では、それなりの値段で取引されているが、X3Fの扱いづらさ、バッテリーの持ち、2023年現在修理対応終了を考えると、DP クアトロ・シリーズの方がよいと思えるが、携帯性はメリル・シリーズが断然よくミニマルですっきりしたデザインはとても好感が持てる。
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仕様・比較
項目 | DP1 メリル | DP2 メリル | DP3 メリル |
カメラ有効画素数 | 総画素:約48MP 有効画素:約46MP (4,800×3,200×3) | ← | ← |
レンズ焦点距離 | 19mm(28mm) | 30mm(45mm) | 50mm(75mm) |
レンズ構成 | 8群9枚 | 6群8枚 | 8群10枚 |
最大絞り | 2.8 | 2.8 | 2.8 |
最小絞り | 16 | 16 | 16 |
絞り羽根 | 9 | 9 | 7 |
撮像素子 | FOVEON X3®(CMOS)・23.5×15.7mm | ← | ← |
背面液晶 | 3.0型・92万ドット | ← | ← |
ファインダー | 光学式 ビューファインダー VF-11 *1 | 光学式 ビューファインダー VF-21 *1 | – |
最短撮影距離(m) | 0.2 | 0.28 | 0.226 |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー BP-41 | ← | ← |
記録メディア | SDメモリーカード SDHCメモリーカード *1 SDXCメモリーカード *1 マルチメディアカード | ← | ← |
外形寸法(mm) 幅 x 高さ x 奥行 | 122 × 67× 64 | 122 × 67 × 59 | 122 × 67 × 80 |
重量(g) ボディのみ | 360 | 355 | 400 |
リリース年 | 2012.9.14 | 2012.7.12 | 2013.2.22 |
オプション
- VIEW FINDER : VF-21
- LENS HOOD : LH2-01
- CLOSE-UP LENS : AML-2
- ELECTRONIC FLASH : EF-140 DG
- そのほかサードパーティーより、ハンドグリップがリリースされた。
参考文献・参考リンク
更新履歴
- 2024.07.18
- 2024.03.11:改稿
- 2023.04.12:初稿
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