超広角コンパクト PERAR-R 17mm

MS-Optics PERAR 17mm F4.5のレビューと写真作例
目次
ギャラリー
- 写真作例の撮影は
- LUMIX GM5
- HEXAR RF Limited +KODAK G200 +MINOLTA Dimage Scan Pro
- Leica M-P typ240
レビュー


1.概要
PERAR-R 17mmはMS-Optics(旧:宮崎光学)がリリースしたレンズでもっとも広角なレンズ。
フィルターの取付については、鏡筒の前玉部にネジは切ってあるけれど、ネジ径とネジピッチが特殊なため直接ねじ込めるフィルターは見当たらない。フィルターの装着は説明書によるとレンズを保護するために、34mmフィルターからガラスを取り外し、フード内側に直接取り付けることが推奨されている。
名称のPERAR-Rは、PERARはMs-opticsにおける薄型レンズの呼称で、後に続くRはレンズ構成がレトロフォーカス型をあらわしている。
この表記は他のPERARシリーズのレンズ構成がトリプレットといわれる3枚玉でこの17mmとは異なる。
そこでシリーズ名の後ろに”-R”をつけることで他のPERARシリーズとの違いを明確にしている。
2.使用感
PERAR-R 17mmは非常にコンパクトなレンズで、カメラに装着してもレンズが目立たない。
まさに、ボディキャップレンズと呼んでも問題のないサイズを実現している。
17mmの超広角をこのサイズに詰め込んでいるため、デジタルカメラに適応できていない。
35mmフルサイズセンサーは周辺部の画質が怪しいこととカラーキャストが目立つカメラがあり、APS-Cサイズセンサーでも周辺部でカラーキャストをおこすカメラもある。
それでも、APS-Cサイズセンサーは35mm判換算焦点距離26mm、マイクロフォーサーズセンサーは35mm判換算焦点距離34mmとなり、クロップされた撮影結果はレンズの中央部を使用しているためネガティブな部分がカットされ使い易いレンズとなる。
最短撮影距離は0.3mと被写体に十分に近寄れるため広い画角で被写体を取り囲むように撮影ができる。
このコンパクトな鏡筒にレンズとしての必要な機能は備えられており、レンズ先端に絞りリング、レンズ付け根にフォーカスレバーを備えたフォーカスリングが設置されている。若干窮屈なレイアウトだけれど、操作しづらいほどでは無い。
概要にあるとおり、フィルターの取付方が特殊で、短い焦点距離の広角レンズなので一般的なフィルターによる隅のケラれを嫌ったための措置と考えられるがあまり現実的な方法ではない。
保護フィルターを取り付けない場合、鏡筒前部に近い前玉は、撮影中にうっかり触ってしまったり、カメラをバッグ内でバックうち壁に触れてしまうなど、取り扱いには注意が必要となる。
付属品としてネジ込み式の前キャップがあるが毎回ネジ込むのも面倒なので使っていない。
このレンズもカラーバリエーションが豊富だ。ゴールドのボディカラーは経年により鏡筒表面のメッキが劣化し剥げているレンズもある。
3.まとめ
結論としてPERAR-R 17mmをまとめると、コンパクトなレンズで超広角レンズにおいてもレンズの大型化を拒む設計者・宮崎 貞安氏のポリシーがよくあらわれているレンズだ。
この大きさで焦点距離 17mmを得られるのは非常用広角レンズとして荷物を少なくしたいときに助かる。
しかし、描写は2020年初頭のデジタルセンサーに適応できていない。このためマイクロフォーサーズ以下のセンサーサイズのデジタルカメラ、35mm判フィルムで使うのがお勧めだ。
仕様・レンズ比較
PERAR-R17mmは、近い焦点距離のLEICA M SUPER ELMAR 18mm / F3.8、CARL ZEISS Distagon 18mm / F4、LOMO ATOLL 17mm/F2.8と比べるて圧倒的にコンパクトである。下図はLEICA M SUPER ELMAR 18mm / F3.8と比較しているがなんとも言えない縮尺感になる。
- レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。


製造 | Ms-optics | LEICA |
名称 | PERAR 17mm | SUPER ELMAR 18mm |
焦点距離(mm) | 17 | 18 |
最大絞り | 4.5 | 3.4 |
最小絞り | 22 | 16 |
絞り羽根 | 10 | 9 |
レンズ構成 | 4群4枚 | 7群8枚 |
最短撮影距離(m) | 0.3 | 0.7 |
レンズ長(mm) | 10.2 | 58 |
レンズ最大径 | 50 | 61 |
フィルター径 (mm) | – | 77mm(フィルターホルダー使用) M8専用IR/UVフィルターあり |
重量(g) | 60 | 310 |
発売日 | 2017 | 2009.03 |
定価 | -¥65,000 | ¥315,000-(リリース当初) その後価格は上がっていく |
参考情報
- Wikipediaによるレトロフォーカスレンズの説明
- MK DIRECT(Ms-optics公式通販ページ)
- LEICA SUPER ELMAR 18mm/F3.8・Shige’s hobby
- CARL ZEISS Distagon 18mm/F4・Shige’s hobby
- LOMO ATOLL 17mm/F2.8・Shige’s hobby
更新
- 2025.4.29
- 2024.08.30
- 2024.02.15:改稿
- 2022.01.20:初稿
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