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中庸なレンズ KONICA M HEXANON 50mm F2

Last updated on 2026-06-01

1999年に発売のコニカ・ヘキサノン 50mm F2をデジタルレンジファインダーカメラLEICA M9とLEICA M8、フィルムレンジファインダーカメラ KONICA HEXAR RF +ACROSS B&W 100で撮影したレビューと写真作例

目次

ギャラリー

フィルムの写真作例の撮影は以下のカメラを使用した。

レビュー

KM HEXANON 50mm F2 KM HEXANON 50mm F2 +LEICA M8

1.概要

KONICA M HEXANON 50mm F2は、1999年にKONICA HEXAR RFと同時にリリースされた、ライカMマウント互換の標準レンズ。

主な特徴は、レンズ構成が5群6枚のガウス型、最短撮影距離が0.7m、絞り値がF2〜F16、絞り羽根が10枚、フィルター径が40.5mm、フードがレンズ鏡筒に内蔵されていることである。

レンズの詳しい説明は、コニカが配布しているレンズのテクニカルレポートを参照のこと。

2.使用感

KONICA M HEXANON 50mm F2は、レンズは金属製で、大きさのわりに重量がある。ヘリコイドもスムーズに回り、レンズ前方にある絞りのクリック感もしっかりしている。総合的に不満はなく、大きな特徴がないレンズなので、M型ライカをはじめ、EPSON R-D1やBESSAシリーズなどのM型ライカ互換カメラに装着しても違和感はない。

レンズフードは鏡筒から引き出して使用し、引き出したフードにロック機構のないタイプだ。ズミルックス M 50mm ASPH.のようにロックがかかるタイプもあるが、ロックの有無は好みの問題だろう。ただし、ロックがかかるタイプはそのギミックの分だけコストのかかった作りとも言える。

レンズの描写は、サンプルを見てわかるとおりフラットな傾向で、絞り開放からよく写るが、高コントラストなレンズではない。フラットな描写のため、デジタル・フィルムを問わず、撮影後の画像処理がしやすいレンズだ。
また、遠景・近景の両方で万能に使え、前ボケ・後ボケの素直な柔らかさと被写体を表現する質感は満足できる。

それぞれのカメラで使用した際の描写について説明する。

LEICA M9は、35mmフィルム判と同じサイズのセンサーを搭載したレンジファインダーカメラ。作例は絞り開放で、ピント面の描写は繊細で申し分なく、後ボケも滑らかだ。逆光で白飛び気味に見えるのは、JPGからWebPに変換しているため。Raw画像は階調が残っている。

LEICA M8は、35mmフィルム判より小さなAPS-Hサイズセンサーを搭載している。焦点距離50mmに、35mmフィルム判に換算する係数1.33をかけた67mmが撮影焦点距離となる。撮影していると、標準レンズを使っている感覚は希薄だ。焦点距離75mmなど、中望遠レンズでファインダー枠を見ながら視線の先を切り出す感覚に近い。

35mmフィルム判の中央を切り出した画像は、ボケる周辺部分が無くなるため、より端整な画像を得ることができる。猫の毛並み、自転車の金属部分の再現性などはとても良い。

フィルムレンジファインダーカメラのHEXAR-RFはモノクロームフィルムで使用した。モノクロームフィルムの粒状感との相性も良く、2線ボケのあらわれやすい木々の描写を見ても、不快なボケはなく、レンズの素性の良さがわかる。

3.まとめ

KONICA M HEXANON 50mm F2をまとめると、そつのない無難な描写をするレベルの高いレンズだ。また、カメラを問わず装着時に違和感のない中庸な意匠をしており、無難な描写と合わせて、個性を主張しすぎないレンズと言える。

多くの強豪がひしめく焦点距離50mmの標準レンズにおいては、何らかの個性がなければ生き残ることは難しいが、この埋没しそうな没個性ぶりは、逆に個性と言える。

仕様・考察など

KONICAのレンジファインダーカメラにおける標準焦点距離領域のレンズは、個性的なものが揃っている。沈胴鏡筒を採用したL-HEXANON 50mm F2.4、改良型ダブルガウス型の大口径限定レンズM-HEXANON 50mm F1.2、焦点距離60mmのL-HEXANON 60mm F1.2など、多士済々である。
HEXANON標準レンズの中からM-HEXANON 50mm F2を選択するのは、通と言えるだろう。
このレンズは一昔前までは、M-HEXANON 28mmと並んで低価格なM-HEXANONレンズだったが、2020年代になると少し価格が上昇しており、見直しの機運があるのかもしれない。

没個性と評されたこのレンズの意匠とレンズ構成は、LEICA SUMMICRON M 50mm F2の4代目に非常に似ている。レンズの意匠は、外観寸法やフードの内蔵など、共通点が多い。異なる点は、フィルター径がコニカは40.5mm、ライカは39mmとなっていることだ。

レンズ構成は、ダブルガウス型は同じだが、コニカは5群6枚、ライカは4群6枚となっており、前群レンズの設計が異なる。ヘキサノンは、前玉3枚が独立して空気面を持っているのに対して、ズミクロンは、前玉3枚のうち2枚目と3枚目のレンズが貼り合わせとなっている。
両者のリリース年には約20年の差があるにもかかわらず、同じ仕様で設計した結果、ほぼ同じレンズになっていることは興味深い。

このヘキサノン50mm F2が定評のあるズミクロンコピーのようになっているのは、この後にリリースされる明るい50mm F1.2を見据えてオーソドックスなダブルガウス型構成を採用したためと考えられる。

下図は、ヘキサノン50mmとズミクロン50mm(4代)の比較図である。

  • レンズ構成図は各社の配付資料から引用し、サイズはこちらで調整しているため厳密ではない。
KM HEXANON 50mm F2 LEICA SUMMICRON 50mm F2 4th
項目M ヘキサノンズミクロン M 4代目
焦点距離(mm)5050
最大絞り22
最小絞り1616
絞り羽根(枚)108
レンズ構成5群6枚(ガウス型)4群6枚(ガウス型)
最短撮影距離(m)0.70.7
レンズ長(mm)43.543.5
レンズ最大径(mm)5453
フィルター径(mm)40.539
重量(g)255ブラック:240
シルバー / チタン:335
リリース年19991978
焦点距離レンズ名リリース年仕様PDF
28mmM-HEXANON f28 / F2.81999年28/50/90mm-PDF
50mmM-HEXANON f50 / F21999年28/50/90mm-PDF
90mmM-HEXANON f90 / F2.81999年28/50/90mm-PDF
35mmM-HEXANON f35 / F22000年35mm-PDF
50mmM-HEXANON f50 / F1.22001年50mm/F1.2-PDF
21-35mmM-HEXANON f21-35 / F3.4-42002年21-35mm-PDF

参考情報

寄付のお願い・Request for donations

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更新履歴

  • 2026.2.17
  • 2025.3.6
  • 2024.05.29:改稿
  • 2024.03.01:改稿
  • 2022.05.19:初稿

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